+ + + + + + + + + +
「お帰りなさいあなた!ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・し?」
買い物から帰ってきて早速夕食の準備。この間の休みに雷蔵と一緒に買いに行った新品のエプロンを身につけて、うきうきしながら皿に飾っていく。
ただいまという声が玄関からしてきて、迎えの言葉をひとつ。
「うーん、疲れてるしなぁ。先に入っちゃおうかな。でも、お腹空いたなぁ・・・。ご飯にしようか、いやでも。。。」
「あの、雷蔵さん?最後の選択肢は迷わない・・・?」
「ん?」
うわ、首を傾げないで。かわいいっ。あぁ、頬が寒さで真っ赤になっている。早く暖めてあげなくちゃ・・・
「あはは、冗談だよ」
「え。」
「せっかくリクエストに応えてもらったんだ。できたて食べなくちゃ申し訳ないよね。」
横を素通り。上着くらい受け取らせて、
「じゃなくて!俺は!?」
「ん?あ、新しいエプロンおろしたんだね。似合っているよ」
「うん、雷蔵もいつでも使っていいからな」
あぁ、もういいや!せっかく早く帰って来てくれたんだし。こたつを暖めて、ご飯よそって盛り付けたお皿を運ぼう。
先程感じてたわくわくは不思議なことに増していて。台所へ体を向けたときに、その声は俺の耳に届いた。
「お前もちゃんともらってやるよ」
お風呂入ったあとにね。
急いで振り返ったが、すでに雷蔵は部屋に入っていた。でも、俺が雷蔵の声を聞き間違えるわけがない。
「・・・…っ、らいぞーっ!!!」
上着を脱いでいた雷蔵をそれごと抱き締める。肌は冷えきっていたけれど、じんわりと同じ温度に変わっていくのが心地よかった。
「三郎、冷たいだろ?」
放せよという声が一番暖かくって、
困った、ここで押し倒したら確実に怒られる。葛藤しながら、雷蔵にへばり続けてた。
***
兼用エプロンっていいですよね!
・・・相方とのメール派生話だったんですが、うまく活かせなかったなぁ、ごめん。泣
PR
この記事にコメントする